パソコンの静音化とサウナと水風呂
温度境界層と水風呂
サウナはお好きですか。私は大好きです。みなさまも好き前提で話を進めると、水風呂に入った瞬間は冷たいですが、しばらくすると冷たさを感じなくなりますよね?体の周りに「温度境界層」が出来ているので、冷たさを感じにくくなります。さしずめ「みずのはごろも」といったところでしょうか。そして誰かが後から水風呂に入ってくると、急に冷たく感じられます。先ほどできた体の周りの「温度境界層」が壊される(正確には小さくなる)からです。かつて王女の最強装備品だった羽衣は現実には繊細なもののようです。水風呂の冷たさが物足りない場合も、水風呂をかき回したり、中で動いたりすると羽衣をあえて壊して体幹的な温度を下げられます。
冷却器と水風呂
さて、CPUやGPUのクーラーでもサウナ後の水風呂と同じことが起こっています。温度が上がり、周りの空気との差が大きくなると、ヒートシンクは羽衣、もとい温度境界層をまとい冷えにくくなります。そこでどうするのか?水風呂をかき回すのと同じように、ファンで風を送って温度境界層を壊してしまいます。では、水風呂を混ぜれば混ぜるほど水風呂は無限に冷たくなるのか?ここは極楽か?というと、そうではなく限度があることをサウナーであれば体験上ご存じかと思います。シングルを味わいたければシングルを探し求めるしかありません。
水風呂も冷却も限界がある
CPUも水風呂と同じように、ファンの回転速度を上げれば上げるほど冷えるのかというと、違います。限度があります。ある程度の回転数=風量からは冷えなくなります。そしてなるだけ回転速度は下げた方が音は静かなので、冷却性能を損なわない最低限の回転速度を狙って冷却機器のチューニングを施していくわけです。CPUの冷却はサウナの気持ちよさを追い求めることに似ています。
と、いうわけで、デジタルドックではパソコンの静音化についての相談も承っております。特にゲーマー・クリエイターなど高性能で静かなパソコンを必要とされる方へおススメいたします。
※2022年12月26日のXポストを編集・再掲しています。