パソコンパーツの相性とは
故障していないのに、特定の組み合わせで動かない、あるいは動きがおかしくなる症状を「相性」と呼んでいます。
動くはずの部品を付けたのに動かない、ということがパソコンでは稀に起こります。規格のあったメモリー、規格のあったグラフィックカード、正しいものを買ったのに動かない、故障を疑ってみたが、それぞれのパーツは壊れているわけではなく、特定の組み合わせだけ動かないという何とも言えない現象です。
メモリー、ハードディスク、SSD、マザーボード、ケースなど、パソコンを構成するパーツは様々なメーカーが作っています。それぞれを接続、装着するための規格・仕様が決まっているので、別々のメーカーが作っている製品でも動作します。元々、別々のメーカーが作っている製品でも動作するように規格・仕様をみんなで決めているので、当たり前といえば当たり前なんですが。
ただ、その当たり前のことが特定の組み合わせの場合にだけ起こってしまう、という不幸なことを「相性」と呼んでいます。この場合「相性が悪い」という事はあまりなく、単に「相性」と言えば「悪い」を含んでいます。「相性が良い」とも言いません。それは単なる仕様、規格通りで、能力以上の性能を発揮してくれることもありません。パソコンで「相性」といえば、残念なことに悪い意味しかありません。
相性の対策・対応
こちらも残念ながら、できることはほとんどありません。メーカーや小売店でも、相性による動作不可は保証しないことが多くあります。
しかし、製品・メーカー・小売店によっては、保証してくれる場合や、相性の問題を保証するサービスもありますので、一度お買い上げの販売店に確認することをお勧めします。
ソフトウェアとハードウェアの「相性」の場合、ソフトウェアのアップデートにより解消する場合もあります。
相性の原因
原因は様々だと言われています。主に規格で決められている部分以外の仕様によるものが多いのではないかと言われています。極めて分かりやすい例を挙げると、接続部分や装着部分以外が物理的に干渉して取り付けられないということがあります。
相性の語源
パソコンに対して「相性」という言葉を使う初出は私には探しきれませんでしたが、20世紀の自作パソコン華やかなりし頃、誰かが「理屈で説明できない」諦めとユーモアを込めて相性と呼び始めたような気がします。
ただ、パソコンに限った話ではなく、様々な工業製品に同じような現象がありますので、昔からモノに対してもよく使っていたのかもしれません。